日本は四季折々の大変自然に恵まれたところです
高温多湿なわが国の氣候に留意して家づくりを考えたり、地域環境を配慮したりと重要なことが意外と多いのです。
しかし昨今は、家が商品化していき、そうした観点が失われていきました。
まずは、そういったところから見直すことが大事なのです。
四季折々を楽しめる家づくり
昨今は四季折々どころか、年中一定の環境を保とうという流れになっています。
そのことがいいのかわるいのかという議論ではなく、
どういった視点で見るかによって大きく変わってくるということも把握していかないとなりません。
家自体を高氣密高断熱化していくと、
外氣、つまり外の環境と断絶するということでもあります。
その結果、室内温湿度をコントロールはしやすくなります。
しかし、内装建材によっては、室内VOC濃度も高まりこもる可能性も増えます。
そういう状態ですとシックハウス症候群の可能性も高まるということです。
日本の昔ながらの造りとして、風通しの良い間取りをと言いましたが、それも最近では窓を開けることすらしなくなってきています。高氣密高断熱にしてせっかく温ったまっている部屋を冷やすのは嫌だと思ってしまいます。夏でも同じですね。また、PM2.5や黄砂、鹿児島だと火山灰が降ってきますから、そうそう窓を開けたくなくなりますよね。そうした室内環境なので、エアコンや空氣清浄機が普及してきたとも言えます。シックハウス対策24時間換氣が必要になったのは室内環境が理由ではあるものの、室外環境、外氣の変化もかなりの影響を及ぼしています。しかしながら、少しでも窓を開けられる時はしたいものです。
地震が多い国、日本
近年は、耐震や免震工法が当たり前になっていますが、昔の日本はまずは地盤を見るということから当然始めるわけです。今はそんなこと言ってられないくらい多く家や建物を建ててきたので、地盤改良工事、杭補強工事などを検討してから着工する場合が多いわけです。さらに大地震があるごとに、耐震基準も変わり、地盤ごとに耐震性を考慮し、さらに想定する以上の地震に対してもますます考慮が加えられることになりそうです。
台風対策
台風に関していうと、必ずと言っても通過する地域があります。その一つに鹿児島の地は挙げられることでしょう。
耐風性:屋根の形状や建物の構造を工夫し、強風に耐えられるようにする。
雨水対策:雨戸の設置や防水シートの施工など、雨水の浸入を防ぐ。
ということを考慮できる時代になったとも言えます。これも時代によってそれなりの対策を耕じてきましたが、現代建築では進化を遂げてきたと言える。
環境配慮
自然環境:日本の自然環境に配慮した設計も重要です。雨水の再利用や太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーを利用する考え方が増えています。これも自然環境配慮をさらに強化しつつ設計する中で慎重に考えないといけない設計の条件になっていると言えます。
景観との調和: 日本は美しい自然景観が多いので、その美しさを活かす建築がとても大事です。しかしながら、高度成長期以降の日本は景観がなおざりになってしまい、氣付かぬうちに日本らしさの景観が変わってしまったことは否めません。これからは周囲の景観と調和した家づくりが求められます。外観だけでなく、庭や植栽を取り入れることで自然との一体感を感じられるような設計が求められるわけです。
これらの要素を考慮し、日本の風土に適した家づくりを目指すことが重要です。また、地域の特性を理解し、それに適した設計を専門家と相談しながら進めると良いでしょう。
地域の文化・風習との調和
- 伝統的な建築様式:地域の気候風土に適応した、伝統的な建築様式を取り入れる。
- 地元の素材の活用:その土地で採れる木材や石材などを使用することで、環境負荷を低減し、地域の景観にも馴染む。
無機質な都市生活が中心に思われがちでしたが、日本の風土、文化の素晴らしさ、良いところを見直し取り入れながらの設計も必要ですね。
循環型社会
循環型社会とはつまり、この世にある資源は全て地球の資源であるということを再認識し、例えば自然素材という観点だけに拘らず、われわれ人間の都合で資源を使用し開発してきたものの再利用という考え方はさらに深め、できることはどんどん実行していこうということです。
リサイクル建材
解体した古材を再利用するだけでなく、古家をそのまま再利用することも大事です。古屋を再利用するにも目利きが必要なことと、単にお金がかかるから解体して、建て直すという考え方だけでなく、場合によってはお金がかかっても再利用するに値するかの目利きも建築家は必要だということです。
日本の風土に合った家づくりは、単なる機能性だけでなく、快適性、安全性、そして美しさも追求することで、心豊かに暮らせる空間を創造します。
そして、これからの日本人の暮らし方、日本での暮らし方にとても重要な考え方です。