あなたは毎日雨ガッパを着たいですか?

わたしたちの体は皮ふで覆われています。この皮膚がなかったらえらいことですね。昔はよく隠し芸で全身ペイントしたタレントさんが30分しかもたないんで!って慌てて芸をする場面をよく目にしました。ちょっと古い話でわからない人も多いですよね。

子供の頃、雨の日に雨がっぱを着ました。夏の日なんかは、帰ってきて雨がっぱを脱ぐと、爽快感というか氣もちの良い感じを覚えています。

わたしたちが着る服は第二の皮ふなんです・・・

ではわたしたちが暮らす空間はどうでしょうか?

これはオーストリアのフンデルト・ヴァッサーという芸術家・建築家の提唱した言葉からの引用ですが、わたし自身は日本の元大工さんから聞きました。

日本の建築は呼吸している

日本建築を顧みると、建材は呼吸していることがわかります。木造ですから木は呼吸しています。土壁は呼吸します。障子や襖もそうです。もちろん床や天井も木ですから呼吸しています。呼吸というと空氣を吸ったり吐いたりというイメージですが、空氣には水、つまり湿氣も吸ったりしてくれていて、空間は呼吸している、ということになります。

呼吸していると・・・

呼吸していない状態をイメージしてください。
先ほどの皮ふの話です。湿氣もこもり、息苦しい状態が続きます。湿氣がこもるとカビが生えてきます。空間にカビの胞子が舞う空氣を吸い続けることになります。想像するだけで苦しいだけではなくてとても氣分が良さそうとは思えません。

さらに昨今は、シックハウス症候群と言われるように「病氣の家」つまり病氣になってしまう家っていうことですが、VOCガスが蔓延してしまう空間にならないようにと24時間換氣なる規則まで出てきています。

呼吸していないだけで随分かけ離れた建築になってしまってはいませんかね・・・

呼吸しているということは、想像以上に重要なことだとは思いませんか?